
旅行の準備をしているとき、一番悩みどころなのがパッキングですよね。
特に荷物が多くなりがちな長期の旅行や、冬場の衣類がかさばる時期は、スーツケースの中身をどう整理するかが死活問題になります。ネットで検索していると、よくAmazonや楽天で「トラベルポーチ6点セット」といった便利な商品を見かけることでしょう。
そこで、「これと同じようなセットが、100円ショップの王様であるダイソーならもっと安く手に入るんじゃないか」と考えて、このページにたどり着いたのではないでしょうか。
実は私自身も、過去に同じことを考えてダイソーの店内を歩き回った経験があります。結論から申し上げますと、残念ながらダイソーには「箱に入った決まった形の6点セット」という商品は存在しません。
しかし、そこでがっかりしてブラウザを閉じないでください。実は、ダイソーのバラ売り商品を組み合わせることで、市販のセット商品を遥かに凌ぐ「最強のパッキングセット」を作ることができるのです。
スリーコインズと比較した際の違いや、ダイソーで圧縮バッグの使い方を工夫する方法、さらには洗濯ネットを旅行に活用する裏ワザまで、100均パッキングのおすすめ情報を余すことなくお伝えします。
- 市販のセット商品にはない「圧縮機能」をダイソーで安く実現する方法
- スリーコインズのセットとダイソー製品の具体的な機能とコスパの違い
- 帰宅後の洗濯が劇的に楽になる「旅する洗濯ネット」の活用術
- 自分だけの「最強6点セット」を構築するための具体的なアイテム選定
ダイソーのトラベルポーチ6点セットは売ってない?真相

冒頭でも少し触れましたが、皆さんが探しているであろう「トラベルポーチ6点セット」という形での商品は、ダイソーの店頭には並んでいません。
まずは、なぜそのような誤解が生まれるのか、そしてダイソーが提供している「本当の価値」は何なのかについて、市場の動向や実際の売り場状況を交えて解説していきます。
ここを理解すると、パッキングの常識が少し変わるかもしれません。
スリーコインズと比較して分かる違い
「ダイソー トラベル ポーチ 6 点 セット」というキーワードで検索される方の多くは、おそらくスリーコインズ(3COINS)の「トラベル収納ポーチセット」を意識されているのではないでしょうか。スリーコインズでは、ベージュやアイボリーといったお洒落なカラーリングで統一されたセット商品が1,650円(税込)程度で販売されており、SNSでも頻繁に見かけます。
スリーコインズのセットは確かに「見た目の統一感」や「これ一つ買えばOK」という手軽さが魅力です。しかし、機能面で細かく見ていくと、ダイソーで個別に揃えた方が有利な点がいくつも浮かび上がってきます。
ダイソーとスリーコインズの決定的な違い
- スリーコインズ:デザイン性重視。サイズが決まっており、圧縮機能がついていないケースが多い(別途購入が必要)。
- ダイソー:機能性重視。必要なサイズや機能を自分で選べる「モジュール式」。特に「圧縮バッグ」を標準装備にできる点が強い。
スリーコインズのセットは標準的な衣類ケースの詰め合わせですが、ダイソーで揃える場合、同じくらいの予算(あるいはそれ以下)で、全ての衣類ケースを「圧縮機能付き」にするといったカスタマイズが可能です。見た目の映えを取るか、スーツケースのスペース削減という実利を取るか。ここが最大の分かれ道になります。
トラベルポーチの売り場と在庫状況
では、実際にダイソーの店舗に行くと、これらの商品はどこに置かれているのでしょうか。実はここにも少し罠があります。ダイソーの売り場は非常に広大で、アイテムのカテゴリー分けが細かいため、「トラベルグッズコーナー」だけを見ても全てが揃わないことがあるのです。
一般的に、メインとなる収納ケースやシューズケースは「トラベル用品」の棚に置かれています。しかし、後ほど詳しく紹介する「旅する洗濯ネット」シリーズなどは、トラベルコーナーではなく「洗濯・衛生用品」のコーナーに陳列されていることが多いのです。
売り場探しの注意点
「セット商品」を探してトラベルコーナーだけをウロウロしていると、本当に便利なアイテムを見逃してしまいます。店員さんに在庫を聞く際も、「6点セットはありますか?」と聞くと「ありません」で終わってしまうので、「圧縮バッグはどこですか?」「そのまま洗えるネットはどこですか?」と個別に尋ねるのが正解です。
また、ダイソーの在庫状況は店舗の規模によって大きく異なります。特に大型店では品揃えが豊富ですが、小型店では人気商品(特に圧縮バッグのMサイズやLサイズ)が売り切れていることも珍しくありません。私が調査した範囲でも、春休みやゴールデンウィーク、年末年始などの旅行シーズン前には、棚がスカスカになっている光景をよく目にします。
100均で揃える最強のパッキング
「セットがないなら、自分で作ればいい」。これがダイソー愛好家である私の結論です。100均でパッキンググッズを揃える最大のメリットは、「自分の旅のスタイルに合わせて、必要な機能だけをピンポイントで導入できる」という点に尽きます。
例えば、LCC(格安航空会社)を利用して荷物の重量制限やサイズ制限が厳しい旅行の場合、とにかく「圧縮」が最優先事項になります。一方で、出張や短期の旅行で、帰ってからの家事を少しでも減らしたい場合は、「そのまま洗える」機能が優先されるでしょう。
既製品の6点セットには、「この小さなポーチ、何に使えばいいの?」という捨てアイテムが含まれていることがよくあります。しかし、ダイソーで1つ110円〜550円の商品を自分で組み合わせれば、捨てアイテムなしの無駄のないセットが完成します。「安かろう悪かろう」ではなく、「安いからこそ、目的に特化させられる」のがダイソーパッキングの神髄なのです。
圧縮バッグで荷物を半分にする方法
ダイソーのトラベルグッズの中で、現在もっとも注目すべきアイテムが「圧縮バッグ」です。これは掃除機を使って空気を抜く従来のタイプではなく、ファスナーを閉める物理的な力で衣類を圧縮するタイプの製品です。
使い方は非常にシンプルですが、効果は絶大です。
- マチ(厚み)のある状態で、衣類を畳んで収納する。
- 中央にある「圧縮用ファスナー」をぐるりと一周閉めていく。
- ファスナーが閉まるにつれて、バッグの厚みが物理的に押しつぶされ、空気が抜けていく。
このメカニズムにより、かさばるニットやフリース、ジーンズなどの容積を約半分近くまで減らすことが可能です。Amazonなどで同様の構造を持つ圧縮バッグを買おうとすると、単体で1,000円〜1,500円ほどするのが相場ですが、ダイソーならサイズによって330円〜550円(税込)で手に入ります。
2室構造のメリット
ダイソーの圧縮バッグの一部には、収納スペースが2つに分かれているタイプもあります。これを使えば、「着る前の服」と「着た後の服」を同じバッグ内で分けて管理できるため、衛生面でも非常に優秀です。
洗濯ネットを収納に使う裏ワザ
もう一つ、ダイソーの傑作と言えるのが「洗濯ネット」を収納ケースとして使うという発想です。特に「旅する洗濯ネット」シリーズは、最初から旅行用ポーチとして使うことを想定して作られています。
通常の洗濯ネットと違う点は、生地がしっかりしており、中身が透けにくい「ダブルメッシュ(二重構造)」になっていることや、持ち運びやすい取っ手がついていることです。これを活用することで、以下のような革命的なフローが実現します。
- 家で服を畳んでネットに入れる(パッキング)。
- 旅行先ではネットから出して着る。
- 着終わった服は、再びそのネットに入れる。
- 帰宅したら、ネットごと洗濯機に放り込む。
この「仕分け」の作業を旅行中に済ませてしまえる点が、忙しい現代人にとって最強の時短術となります。帰宅して疲れている時に、スーツケースから洗濯物を一枚一枚取り出して仕分ける作業ほど苦痛なものはありません。この苦痛を数百円で解消できるなら、導入しない手はありません。
ダイソーでトラベルポーチ6点セットを作る代用案

それでは、具体的にどのような商品を組み合わせれば、市販の「6点セット」を超える最強のセットが作れるのでしょうか。ここでは、私が実際に試行錯誤してたどり着いた、2つの「レシピ」をご紹介します。あなたの旅の目的に合わせて選んでみてください。
圧縮メインで組む使い方のコツ
まずは、とにかく荷物をコンパクトにしたい人向けの「究極の圧縮セット」です。冬場の旅行や、お土産をたくさん買いたいので行きの荷物はスカスカにしておきたい、という方に最適です。
| アイテム名 | サイズ・特徴 | 価格(目安) | 用途 |
|---|---|---|---|
| 圧縮バッグ(大) | 35×40cm | 550円 | アウター、厚手ニット、ジーンズ |
| 圧縮バッグ(中) | 25×35cm | 440円 | Tシャツ、シャツ、トレーナー |
| 圧縮バッグ(小) | 20×30cm | 330円 | 下着、靴下、タオル類 |
| 旅する洗濯ネット(巾着) | 30×35cm | 220円 | 使用済み衣類の隔離用 |
| シューズケース | 折りたたみ式 | 110円 | 予備の靴、サンダル |
| スライダーパック | A5サイズ | 110円 | ケーブル、充電器類の整理 |
| 合計 | 6点セット | 1,760円 | 圧縮機能フル装備 |
このセットのポイントは、衣類を入れる3つのメイン収納全てに「圧縮機能」を持たせていることです。市販の6点セットでこれだけの圧縮機能を備えたものを買おうとすると、3,000円〜4,000円は下りません。それを2,000円以下で実現できるのは、ダイソーならではのコストパフォーマンスと言えるでしょう。
使い方のコツとしては、「限界まで詰め込みすぎない」ことです。圧縮ファスナーは強力ですが、あまりにパンパンに詰め込んで無理やり閉めようとすると、生地がファスナーに噛んでしまったり、ファスナー自体が破損したりする原因になります。7〜8割くらいの収納量に留めて、スムーズに圧縮するのが長持ちさせる秘訣です。
洗えるポーチで帰宅後を楽にする
次は、出張族やジム通い、あるいは「とにかく面倒くさがり」な私のような人におすすめの「スマート・ウォッシャブルセット」です。こちらはコストも圧倒的に安くなります。
| アイテム名 | サイズ・特徴 | 価格(目安) | 用途 |
|---|---|---|---|
| 旅する洗濯ネット(トート) | 30×40cm | 220円 | メイン衣類。そのまま洗濯機へ |
| 旅する洗濯ネット(スクエア) | 25×35cm | 110円 | ワイシャツやトップスの保護 |
| 洗濯ネット(小・厚手) | 20×30cm | 110円 | 下着・靴下用。デリケート洗い対応 |
| シューズケース | ナイロン製 | 110円 | 靴または汚れ物入れ |
| メッシュケース | B5サイズ | 110円 | 書類、パンフレット整理 |
| クリアポーチ(マチ付) | ビニール製 | 110円 | 洗面用具(液漏れ防止) |
| 合計 | 6点セット | 770円 | 帰宅後0分洗濯 |
驚くべきことに、合計770円で6点セットが完成してしまいます。このセットの最大の魅力は、「旅行から帰ってきた瞬間、カバンの中身を洗濯機に放り込んで終了」という快感です。洗濯ネットはメッシュ素材なので通気性が良く、使用済みの服を入れておいても蒸れにくいというメリットもあります。
おしゃれなクリアポーチの活用法
「6点セット」を構成する上で忘れてはならないのが、液体物や細々したガジェット類の収納です。ここで活躍するのが、ダイソーの「ビニールネットケース」や「クリアポーチ」です。
最近のダイソーには、単なる透明なビニールではなく、くすみカラーやマットな質感の、非常におしゃれなクリアポーチが増えています。これらは以下のような用途に最適です。
- シャンプー・化粧水:万が一液漏れしても、ビニール製なら他の衣類に被害が及びません。マチ付きのものを選べば、ボトルも立てて収納できます。
- ガジェット類:充電ケーブルやモバイルバッテリーは、中身が見えるポーチに入れることで「あれ、どこ入れたっけ?」という忘れ物を防げます。
- 機内持ち込み用:国際線を利用する場合、液体物は透明な袋に入れる必要がありますが、ダイソーのマチ付きスライダーパックなどはこの用途にもぴったりです。
特に「マチ付き」を選ぶのがポイントです。マチがないフラットなケースは意外と物が入らず、すぐにパンパンになってしまいますが、数センチでもマチがあるだけで収納力は段違いに上がります。
失敗しないサイズの選び方
自分でセットを作る際に一番迷うのが「サイズ選び」です。S・M・Lとあっても、実際にどれくらいの服が入るのかイメージしにくいですよね。失敗しないための目安をお伝えします。
サイズの選び方ガイド
- Lサイズ(35×40cm前後):厚手のセーターなら1〜2枚、ジーンズなら2本、冬用パジャマ上下など。メインの衣装ケースとして1〜2枚は必須です。
- Mサイズ(25×35cm前後):Tシャツなら3〜4枚、薄手のシャツなら3枚。夏の1泊〜2泊ならこれが主力になります。
- Sサイズ(20×30cm前後):下着セット2日分、靴下3〜4足、タオルハンカチ数枚。小回りが利くので、2枚あっても困りません。
持っているスーツケースのサイズにもよりますが、一般的な機内持ち込みサイズ(30〜40リットル)のスーツケースであれば、「Lサイズ×1、Mサイズ×1、Sサイズ×2」くらいの組み合わせが、テトリスのように綺麗に収まる黄金比率です。大は小を兼ねると言いますが、トラベルポーチに関しては「小は大より隙間を埋める」ので、小さいサイズを多めに持っておくのがパッキング上手への近道です。
耐久性に関する口コミと注意点
最後に、ダイソー製品を使う上で避けて通れない「耐久性」の話をしましょう。正直に申し上げますと、数千円する有名アウトドアブランドのトラベルポーチと比べれば、ダイソー製品の耐久性は劣ります。
特に口コミでもよく指摘されるのが「ファスナーの弱さ」です。圧縮バッグの場合、圧縮する際に強いテンションがかかるため、無理に引っ張るとファスナーの持ち手が外れたり、レールが噛み合わなくなったりすることがあります。また、洗濯ネットも何十回と洗っていると、徐々にメッシュが傷んでくることは避けられません。
しかし、ここで重要視すべきは「リカバリーのしやすさ」です。もし旅行中にポーチが破れてしまっても、日本国内の旅行であれば、現地のダイソーで数百円で買い直すことができます。また、1,500円のセット商品を1つ買ってファスナーが1箇所壊れたらセット全体が残念な感じになりますが、バラ売りならその1つだけを買い替えれば済みます。
長持ちさせるコツ
圧縮バッグのファスナーを閉める際は、指で内側の生地を挟み込まないようにガイドしながら、ゆっくりとスライドさせてください。一気に「ガーッ」とやると一発で壊れることがあります。
結論:ダイソーのトラベルポーチ6点セットは自作が最強
「ダイソー トラベル ポーチ 6 点 セット」を探していた皆様。店頭にその名前の商品はなかったとしても、それ以上の価値を生み出すアイテムがダイソーには溢れています。
見た目の可愛さや手軽さを最優先するならスリーコインズのセットも素晴らしい選択肢ですが、「荷物を極限まで減らしたい」「帰宅後の洗濯を楽にしたい」「自分だけの使いやすさを追求したい」という機能性を求めるのであれば、ダイソーでバラ売り商品を組み合わせる「自作6点セット」こそが、最も賢い選択だと言えます。
今回ご紹介した「圧縮メイン」や「洗濯ネットメイン」のレシピを参考に、ぜひ次回の旅行に向けて、あなただけの最強トラベルセットを構築してみてください。数百円の投資で、旅の快適さが劇的に変わることをお約束します。