
久しぶりの旅行で飛行機に乗るとなるとワクワクしますよね。でも、LCC(格安航空会社)のピーチ(Peach Aviation)を利用する場合に、どうしても気になってしまうのが手荷物のルールではないでしょうか。
特に「機内持ち込み手荷物が7kgまで」という制限は、大手航空会社の10kgに慣れていると非常に厳しく感じられます。「どれくらい厳しいの?」「自分の荷物は大丈夫かな?」と不安になる方も多いはずです。
実は私も初めてピーチを利用した際、空港のカウンターでドキドキしながら計量器に乗せた経験があるので、その気持ちは痛いほどわかります。この記事では、ピーチの手荷物ルールや検査のリアルな実態、そして追加料金を払わずに済むための対策について、私なりの経験と視点で詳しくまとめてみました。
- ピーチの機内持ち込み7kg制限の厳しさと実態
- スーツケースとリュックのどちらが有利か
- 追加料金を避けるための具体的な対策
- 空港での重量チェックの流れと注意点
ピーチの手荷物7kgはどれくらい厳しいか解説
「たった3kgの差でしょ?」と思うかもしれませんが、大手航空会社の10kg制限とピーチの7kg制限の間には、実は天と地ほどの差があります。7kgという数値は、油断すると一瞬で超過してしまう絶妙なラインなのです。ここでは、物理的なサイズや重量のルールだけでなく、実際に空港でどのようにチェックされているのか、その厳しさについて深掘りしていきます。
機内持ち込みサイズと3辺の合計ルール

まずは基本となるサイズのお話です。ピーチで機内に持ち込める手荷物は、身の回り品(ハンドバッグや傘など)を含めて合計2個までと決まっています。そして、メインとなる手荷物のサイズには非常に厳格な規定があります。
具体的には、キャスターやハンドルなどの突起物を含めた3辺の合計が115cm以内である必要があります。一般的には「高さ55cm × 横幅40cm × 奥行25cm以内」というサイズ感が目安になりますね。このサイズ感は、駅のコインロッカー(中サイズ)にギリギリ入るかどうか、といった大きさです。
ここで一番気をつけたいのが、キャスター(車輪)やハンドルの部分です。メーカーのカタログ値では「本体サイズ(収納部分)」のみが記載されていることがありますが、空港の計測器(サイザー)に入れるときは、飛び出しているキャスターも含めた「全長」で判断されます。「本体は規定内だけど、タイヤがはみ出して入らない」というケースは意外と多いので注意が必要です。
また、最近流行りの「容量拡張機能(エキスパンダブル)」がついたスーツケースも要注意です。チャックを開いてマチを広げた状態だと、厚みの規定(25cm)を超えてしまうことがよくあります。「機内持ち込み対応」と書いてある商品でも、それはあくまで大手航空会社の基準(10kg/合計115cm)であって、LCCの厳格なゲージチェックでは弾かれるリスクがあることを覚えておきましょう。
(出典:Peach Aviation公式サイト「機内持ち込み手荷物」)
リュックとキャリーケースの重さ比較
7kgという制限の中でやりくりする場合、実は「何に入れるか」が勝負の分かれ目になります。ここで物理的な重さの話を少しさせてください。多くの人が見落としがちなのが「バッグ自体の重さ(自重)」です。
一般的な機内持ち込みサイズのハードキャリーケース(スーツケース)は、それ自体で約3kgほどの重さがあります。つまり、スーツケースを選んだ時点で、中身は残り4kgしか入れられないということになります。4kgというのは、パソコンと少しの着替えを入れたらすぐに達してしまう量です。
| バッグの種類 | 平均的な自重 | 中身に入れられる量 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ハードキャリー | 約3.0kg | 残り約4.0kg | 頑丈だが重い。7kg制限には不向き。 |
| ソフトキャリー | 約2.5kg | 残り約4.5kg | 布製で少し軽め。外ポケットが便利。 |
| バックパック | 約0.8kg | 残り約6.2kg | 圧倒的に軽い。荷物を最大化できる。 |
表を見てわかる通り、ナイロン製のバックパックやボストンバッグなら、自重は1kg以下です。これなら中身を約6kgまで詰め込むことができます。この「2kgの差」は、予備の靴を1足持っていけるか、あるいはドライヤーを持っていけるかといった、旅行の質を左右する致命的な差になります。
7kg制限を確実にクリアするための第一歩は、見た目のスマートさよりも実用性を取って、重たいキャリーケースを諦め、軽いバックパックを選ぶことかもしれませんね。
検査が厳しい空港とガチ測りの実態

ネット上でよく聞く「ピーチは計量が厳しい」という噂、これは私の経験上も「事実」だと言えます。特にピーチの拠点空港である関西国際空港(KIX)の第2ターミナルや那覇空港では、かなり徹底したチェックが行われています。
通称「ガチ測り」と呼ばれる全数計量に遭遇することがあります。これは、チェックインカウンターでの預け入れ荷物の計量だけではありません。恐ろしいことに、カウンターをスルーした後のポイントでも網が張られていることがあるのです。
計量チェックが行われる主なポイント
- チェックインカウンター: 有人カウンターを利用する場合、機内持ち込み手荷物も一緒に計量台に乗せるよう求められます。
- 保安検査場の入り口手前: ここに専門のスタッフと計量器が配置され、すべての乗客の手荷物をチェックする場合があります。クリアするとタグが貼られます。
- 搭乗ゲート(飛行機に乗る直前): ここが最後の砦であり、最もリスクが高い場所です。
特に注意したいのが、「カウンターでは測られなかったから大丈夫だろう」と油断して、保安検査場を通過した後に免税店でお土産や飲み物を買い足すケースです。搭乗ゲートの直前で抜き打ち、あるいは全数計量が行われることがあり、ここでオーバーするとその場でお金を払って預けるか、荷物を捨てるかの二択を迫られます。
重量オーバー時の追加料金と対策
もし7kgを超えてしまった場合、どうなるのでしょうか。答えはシンプルで、「受託手荷物(預け荷物)」として追加料金を払うことになります。しかし、ここで最も重要なのが支払うタイミングによる料金の差です。
ピーチの手荷物料金は、「いつ」「どこで」申し込むかによって金額が大きく異なります。ウェブで事前に予約する場合と、当日空港カウンターで支払う場合では、倍近い価格差が生まれることもあります。
| 申し込み方法 | 料金目安(国内線1個目) | 特徴 |
|---|---|---|
| ウェブサイト(事前予約) | 約1,900円〜 | 最も安い。出発1時間前まで手続き可能。 |
| コンタクトセンター | 約3,100円〜 | 電話での予約。ウェブより割高。 |
| 空港カウンター(当日) | 約3,100円〜 | 最も高い。支払い手続きに時間もかかる。 |
※料金は路線(ゾーン)や時期によって変動します。上記は一例です。
空港のカウンターで「重量オーバーです」と言われてから支払うと、ウェブ予約よりも高額な手数料(空港カウンター料金)がかかってしまいます。さらに、搭乗ゲートでの支払いはクレジットカードのみの対応だったり、手続きに時間がかかって飛行機に乗り遅れそうになったりと、焦りしかありません。
対策は一つです。家を出る前に体重計で測ってみて、6.5kgを超えているようなら、その時点で潔くウェブから受託手荷物を申し込んでしまいましょう。これが結果的に一番安上がりで、精神的にも楽な「損切り」になります。
パソコンや液体物の持ち込み注意点

仕事でPCを持ち歩く私のような人間にとって、ピーチの7kg制限はさらにハードルが上がります。一般的な13インチのノートパソコンは本体だけで約1.3kg、ACアダプターを含めると1.5kg近くになります。
これだけで許容量の20%以上を使ってしまう計算です。さらに厄介なのがモバイルバッテリーです。これらはリチウムイオン電池を使用しているため、航空法上の危険物に該当し、安全上の理由から受託手荷物(預け入れ)に入れることができません。必ず機内に持ち込む必要があります。
つまり、「重いから預けてしまおう」という手が使えないのです。大容量のモバイルバッテリーは意外と重量があるので、これも7kgの枠を圧迫する大きな要因になります。
また、液体物(化粧水、シャンプー、飲料など)も意外と重さがあります。国内線ならお茶などのペットボトルも持ち込めますが、保安検査場を通過した後に買った500mlのペットボトルは、そのまま0.5kgの加算になります。
「保安検査場を通った後に買った飲み物はノーカウント」だと思っている方もいますが、それは間違いです。ピーチの搭乗ゲートでの計量では、これらも含めた「手荷物総重量」が7.0kg以内でなければなりません。ゲート前で飲みかけのジュースを一気飲みする羽目にならないよう注意しましょう。
ピーチの手荷物7kgはどれくらい入るか検証
ここまではルールの厳しさについてお話ししてきましたが、では実際にどのようにパッキングすれば7kgに収まるのでしょうか。ここからは、私の経験に基づいた具体的なパッキング術と、気をつけるべきポイントをご紹介します。
1泊2日の荷物量とパッキングのコツ
1泊2日の旅行であれば、工夫次第で7kg以内に収めることは十分に可能です。ポイントは徹底的な「素材選び」と「着る収納」です。
まず衣類ですが、ジーンズや厚手の綿パーカー、ウールのコートなどは非常に重いです。これらはバッグに入れず、搭乗当日に着ていくのが鉄則です。人間の体そのものや、着ている服の重さは体重計には乗りません。逆に、バッグに入れる着替えは、ポリエステル製の速乾Tシャツや、薄手のメリノウールなど、軽くてかさばらない素材を選びましょう。
また、化粧品や洗面用具の軽量化も欠かせません。普段使っているボトルをそのまま持っていくのは絶対にNGです。100円ショップなどで売っているコンタクトレンズケースや極小のタレビンなどに1回分だけ移し替えるか、宿泊先のホテルにあるアメニティ(シャンプー、ボディソープ、パジャマなど)を事前に調べて、持っていくものを徹底的に減らすことが重要です。
特にタオルとパジャマは場所も取るし重いです。ホテルの備え付けを利用するだけで、500g〜1kg近く軽量化できますよ。
お土産購入時の重量超過リスク

旅行の楽しみといえばお土産ですが、ピーチなどのLCCではこれが最大のトラップになります。行きは6.5kgでクリアしても、帰りに空港でお土産を買えば確実に7kgを超えてしまいます。
特に注意したいのが以下のアイテムです。
- お菓子: 箱入りのお菓子は「過剰包装」でかさばる上に、意外と重さがあります。
- 液体類: 地酒、ジャム、プリンなどは水分なので非常に重く、数本買うだけで即オーバーです。
7kg制限で旅をするなら、お土産は「物理的に軽いもの(乾物やステッカーなど)」を選ぶか、あるいは「現地から宅配便で自宅に送る」という割り切りが必要です。配送料の方が、空港での超過料金より安いことも多々あります。
どうしてもお土産を持って帰りたい場合は、最初から「帰りの便だけ」受託手荷物(預け荷物)オプションを購入しておくのが賢い選択です。
身の回り品と手荷物2個ルールの詳細
ピーチの規定では「機内持ち込み手荷物は合計2個まで」とされています。これは「上の棚に入れるバッグ」と「足元に置く身の回り品」の合計です。
よくある失敗が、以下のような状態で搭乗口に向かってしまうことです。
- 1個目:キャリーケース
- 2個目:ハンドバッグ(財布やスマホ入り)
- 3個目:空港で買ったお土産の紙袋
この状態は「3個」とみなされ、搭乗ゲートで止められます。この場合、係員から「お土産の袋をキャリーケースかハンドバッグの中にしまって、2個にしてください」と指示されます(いわゆるマトリョーシカ方式)。
もしバッグがパンパンで中に入らなければ、その場で追加料金を払って預けることになります。搭乗ゲート通過時には、必ず荷物を2つにまとめられるよう、メインのバッグには少し空間的な余裕を持たせておく必要があります。
受託手荷物料金の支払い方法と節約術
ここまで読んで「やっぱり7kgに収まるか不安だ」「お土産も買いたい」と思った方は、素直に受託手荷物を予約しましょう。ピーチには主に3つの運賃タイプがありますが、最初から荷物を預けるつもりなら「スタンダード(Value Peach)」などのセット運賃を選ぶのがお得な場合が多いです。
最安値の「ミニマム(Simple Peach)」運賃を選んで、後から座席指定料金と受託手荷物料金を個別に追加するよりも、最初からそれらがパッケージされている運賃の方が、トータルコストが変わらない上に、フライト変更の手数料がかからない(差額調整のみ)などの大きなメリットがあります。
チケット購入時に「荷物が増えるかもしれない」と少しでも思うなら、数百円〜千円程度の差額で安心と柔軟性が買える上位プランを検討してみてください。結果的にその方が安くつくことが多いです。
ピーチの手荷物7kgがどれくらいか総括
結論として、ピーチの7kg制限は「普通の旅行の荷物量」を想定していると、かなり厳しいと言わざるを得ません。これは「7kgまで持っていいですよ」という許可のルールというよりは、「7kgを超えるならコストがかかりますよ」という警告線だと捉えた方が安全です。
快適にLCCを利用するための私の結論は以下の通りです。
- 重いスーツケースは使わず、軽量なバックパックを使う
- PCや重い靴、厚手の上着があるなら、無理せず受託手荷物を予約する
- 「お土産」のスペースと重量を最初から計算に入れる
- 空港での当日支払いは最も損なので、ウェブでの事前予約を徹底する
ルールを正しく理解して準備すれば、ピーチはとても経済的で便利な移動手段です。厳しいルールも、定時運航と低価格を維持するための工夫だと思えば納得がいきます。ぜひ万全のパッキングで、賢くお得な旅を楽しんでくださいね。
※本記事の情報は執筆時点での一般的な傾向や規定に基づいています。航空会社のルールや料金は頻繁に変更されるため、正確な情報は必ずPeach Aviation公式サイトをご確認ください。