
最近、自宅のデスク環境を整えようと一念発起してモニターアームを導入することにしたんです。意気揚々と作業を始めたのはいいものの、Dellのモニタースタンドが外れないというまさかの事態に直面してしまいました。
背面のボタンを押してもびくともしないし、そもそも私のモデルにはボタンが見当たらないという状況に焦りを感じたのを覚えています。ネットで情報を集めてみると、爪の外し方にコツが必要だったり、適切なサイズのドライバーを用意しなければならなかったりと、シリーズごとに作法が違うことを知りました。
特にSシリーズやSEシリーズなどは隠し穴の位置が分かりにくく、ボタンが固いことで有名なようです。VESAマウントに取り替えて快適な環境を作りたいのに、最初のステップで躓くと本当に困ってしまいますよね。今回は私と同じように困っている方のために、実体験に基づいた具体的な解決策や注意点を詳しくまとめてみたいと思います。
- シリーズごとに異なるスタンドの正しい外し方と実践的なコツ
- 解除ボタンが固い場合や隠し穴が見つからない時の対処法
- VESAマウント非対応モデルに必要なアダプターの知識
- モニターを破損させずに安全に作業するための準備と手順
Dellモニタースタンドが外れない時の外し方
Dellのモニターといっても、実はシリーズによってスタンドの固定方式が全く異なります。「ボタンを押せば外れる」と思い込んでいると、いつまで経っても外れないなんてことになりかねません。ここでは、私が実際に試行錯誤して分かった、シリーズ別の具体的な外し方とテクニックをご紹介します。
スタンドの爪の外し方のコツ
まず、どのシリーズにも共通して言えることですが、スタンドを外す際には「力の入れ方」にコツがあります。ロック機構(爪)は、スタンドとモニター本体が強く噛み合っている状態だと、いくら解除操作をしても外れにくい構造になっています。
ここで重要になるのが、「カウンタープレッシャー」という考え方です。具体的には、スタンドを引き抜こうとするのではなく、一度モニター本体側へ「グッ」と押し込みながら解除ボタンやラッチを操作してみてください。こうすることで、内部の爪にかかっている摩擦(テンション)が抜け、スムーズにロックが解除されることが多いんです。力任せに引っ張るのではなく、一度押し込んでから操作する、これをぜひ意識してみてくださいね。
ボタンが固い時の押し込み技
UltraSharp(Uシリーズ)やProfessional(Pシリーズ)などの上位モデルには、背面に大きなクイックリリースボタンが付いています。本来ならこれを押すだけで簡単に外れるはずなのですが、長く使っていると内部のグリスが乾いたりして、ボタンがガチガチに固まってしまうことがあります。
そんな時は、モニターを安定した机の上に立てて置き、モニターの上から下に向かって体重をかけてみてください。スタンドを縮める方向に力を加えながらボタンを押すと、驚くほどあっさりとボタンが沈み込むことがあります。これは先ほどのカウンタープレッシャーの応用で、噛み込み部分に「遊び」を作ることでボタンを押しやすくするテクニックです。指の力だけでどうにもならない時は、重力を味方につけましょう。
穴にドライバーが入らない時
ボタンがないモデルの場合、小さな穴やスリットにドライバーを差し込んでロックを解除する必要があります。ここでよくあるトラブルが、「穴が小さすぎてドライバーが入らない」あるいは「入るけどロックに届かない」という問題です。
多くの人が手元にある精密ドライバーを使いがちですが、実はこれだと細すぎて力が伝わらないことが多いんです。おすすめなのは、軸が長くて(100mm以上)、先端の幅が3mmから5mm程度のマイナスドライバーです。ある程度の太さと長さがないと、内部の板バネを押し下げるだけの力が伝わりません。「カチッ」という手応えがあるまで奥へ差し込む必要があるので、適切な工具選びが成功の鍵を握っています。
S・SEシリーズの隠し穴
「dell モニタースタンド 外れない」と検索する人の多くが、このConsumer(Sシリーズ)やEssential(SEシリーズ)のユーザーではないでしょうか。これらのモデルは背面デザインをスッキリさせるために、ロック解除用の穴が非常に分かりにくい場所に隠されています。
具体的には、スタンドが本体に刺さっている部分の「すぐ上」の隙間をよく見てください。部屋の明かりだけでは見つけにくいので、スマホのライトなどで照らしてみると、小さな四角い穴が見つかるはずです。SE2416Hなどのモデルでは、この隙間が本当に狭いので見落としがちです。ここに適切なドライバーを差し込み、バネを押し下げながらスタンドを引き抜くのですが、これが結構なコツを要します。諦めずにライトで照らして、正確な位置を把握することから始めましょう。
Eシリーズのネジとカバー
ビジネス向けのエントリーモデルであるEシリーズは、頻繁に取り外すことを想定していないため、構造が少し特殊です。「ボタンも穴もない!」と焦る前に、背面にある正方形のVESAマウント付近(10cm四方のエリア)を見てください。
ここにプラスチックの化粧カバーが付いている場合、まずはそれを外す必要があります。 カバーを外すと、その下にスタンドを固定しているネジ(通常4本)や、隠されたリリースラッチが現れます。モデルによっては、ドライバーを使って物理的にネジを回さないと外れないものもあります。「ワンタッチで外れるはず」という思い込みを捨てて、カバーの下やネジの存在を疑ってみるのがポイントです。
Dellモニタースタンドが外れない原因とVESA
そもそも、なぜここまで頑丈に固定されているのでしょうか?無理やり外そうとして壊してしまう前に、固着のメカニズムを知っておくことは大切です。そして、無事にスタンドが外れた後、モニターアーム(VESAマウント)を取り付ける際の注意点についても触れておきます。
固いロックの物理的な原因
スタンドが外れなくなる主な原因は、経年劣化による「固着」と「摩擦」です。長期間同じ姿勢で固定されていたモニターは、プラスチック部品や内部の金属ラッチが馴染みすぎてしまい、いわゆる「張り付いた」状態になります。 また、内部のスプリングやグリスの状態が悪くなると、解除ボタンを押しても中のフックが完全に戻りきらなくなります。これを無理やり力任せに引き剥がそうとすると、プラスチックの爪が折れたり、最悪の場合はモニター内部の基板に衝撃を与えて故障の原因になります。「固いな」と思ったら、まずは構造的な噛み合わせを疑い、前述した「押し込んでから解除」を試すことが、安全に外すための近道です。
注意:ハンマーの使用について ネット上では「ゴムハンマーで叩くと外れる」といった荒療治も見かけますが、これは最終手段中の最終手段です。衝撃で液晶パネルや内部基板を破損させるリスクが非常に高いため、個人的には全くおすすめしません。もし行う場合は、完全に自己責任となることを覚悟してください。
モニターアームへの交換手順
無事にスタンドが外れたら、いよいよモニターアームの取り付けです。基本的には、露出した4つのネジ穴(VESAマウント)にアーム付属のプレートをネジ止めするだけですが、ここでも確認が必要です。 Dellのモニターは、背面のデザインが曲面になっていたり、VESAマウント部分が凹んで(リセス状に)なっていたりすることがあります。そのため、アームに付属している汎用的なプレートだと、モニターの筐体に干渉してネジが届かないことがあります。そのような場合は、「スペーサー(スタンドオフ)」と呼ばれる筒状のパーツを挟んで、高さを調整する必要があります。アームを購入する前に、付属品にスペーサーが含まれているか確認しておくと安心ですよ。
VESAアダプターの選び方
ここで一つ、非常に重要な注意点があります。SシリーズやSEシリーズの一部(特にスリムベゼルのモデル)には、そもそも背面にVESA規格のネジ穴が存在しないモデルがあります。スタンドを外しても、ツルツルの背面が出てくるだけなんです。 「えっ、アーム付かないの?」と絶望するのはまだ早いです。こういったモデルのために、サードパーティメーカー(HumanCentricやVivoなど)から、純正スタンドの差込口を利用してVESA穴を増設する「変換アダプター」が販売されています。ただし、このアダプターは型番ごとに形状が厳密に決まっています。「SE2416H用」と「SE2419H用」では形が全く違うこともあるので、自分のモニターの型番をしっかり確認して、適合するアダプターを選ぶようにしてください。
作業時の画面保護と注意点
最後に、作業環境についてのアドバイスです。スタンドを外す作業に夢中になっていると、うっかり液晶画面を傷つけてしまうことがあります。作業をする際は、必ず平らな机の上に柔らかいタオルや毛布を敷き、その上にモニターを「フェイスダウン(画面を下)」で置いてください。 この時、スタンド部分だけが机の端から飛び出すように配置するのがポイントです。こうすると、スタンドを下方向に引き抜く動作がしやすくなり、余計な力がかかりにくくなります。また、液晶パネルの縁(ベゼル)を強く握りすぎないようにも注意してくださいね。最近のモニターはベゼルが薄いので、指の圧力で液晶割れを起こすこともあります。
作業のポイント
- 柔らかい布を敷いて画面を保護する
- スタンドを机の端から出して作業性を確保する
- ベゼルではなく、筐体の厚みのある部分を持つ
Dellモニタースタンドが外れない時のまとめ
Dellのモニタースタンドが外れないトラブルは、多くのユーザーが直面する通過儀礼のようなものです。しかし、シリーズごとの正しい構造(爪の位置やボタンの仕組み)を理解し、適切なツール(長めのドライバーなど)を使えば、必ず安全に取り外すことができます。 焦って力任せにこじ開けようとするのが一番のリスクです。「押してダメなら引いてみろ」ではありませんが、「引いてダメなら押し込んでみろ」の精神で、カウンタープレッシャーを試してみてください。無事にスタンドが外れて、快適なモニターアーム環境が構築できることを応援しています!