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無印のコーヒー豆はまずい?リニューアル後の評判と真実

いつもリピート購入している、無印のコーヒー豆、この値段でこの味は美味しい

ショッピングモールなどで無印良品のお店の前を通ると、食品コーナーから漂ってくる芳醇なコーヒーの香りに、つい足を止めて深呼吸したくなりませんか?「あ、この香りいいな、家でも飲みたいな」と思って、いざ買おうとスマホを取り出す。しかし、検索窓に「無印 コーヒー」と打ち込んだ瞬間、予測変換に「無印 コーヒー 豆 まずい」なんていうショッキングな言葉が並んでいるのを見て、そっと棚に商品を戻してしまった経験があるのは私だけではないはずです。

実は私も、そのネットの評判に翻弄されていた一人でした。しかし、どうしてもあの香りが気になり、徹底的に調べて実際に飲み比べてみたところ、驚くべき事実が判明しました。実は、2024年に行われた大規模なリニューアルによって、製造元や豆の品質が劇的に向上していたのです。また、ネット上で「まずい」と評価される背景には、豆そのものの問題ではなく、使用しているコーヒーメーカーの性能や、自宅での保存方法といった「環境要因」が大きく関わっていることも見えてきました。

もし、あなたが「無印のコーヒーは気になるけど、失敗したくない」と考えているなら、この記事がその迷いを断ち切る助けになるはずです。酸っぱいと感じる原因や、実は評判の良いカフェインレスの真実、そしてプロ顔負けの味を引き出すためのちょっとしたコツまで、私の実体験と調査データを交えて詳しくお話しします。

  • 2024年のリニューアルで製造元が「小川珈琲」に変わり味が劇的に向上した理由
  • 「まずい」という評価の多くが、豆ではなく「コーヒーメーカー」の性能に起因する可能性
  • 酸味や雑味を抑えて本来の風味を引き出す、自宅でできる正しい保存と淹れ方
  • 自分好みの味を見つけるための「3つのテイスト」の選び方とカフェインレスの実力

無印のコーヒー豆はまずい?リニューアル後の評判

まず結論から申し上げますと、現在の無印良品のコーヒー豆に対して一概に「まずい」と評価するのは、情報がアップデートされていないか、あるいは別の要因が絡んでいる可能性が高いです。なぜなら、無印良品のコーヒー事業は2024年に、まさに「生まれ変わり」と言えるほどの大きな転換点を迎えたからです。ここでは、そのリニューアルの詳細と、実際の味の変化について深掘りしていきます。

 無印コーヒー豆のリニューアルと製造元の変化

無印良品のコーヒー豆は、2024年3月に大規模なリニューアルが行われました。これは単なるパッケージデザインの変更といった表面的なものではなく、中身の豆、ブレンド、そして製造体制そのものが根本から刷新されています。

最大の変化は、製造パートナーの変更です。リニューアル後のコーヒー豆は、京都で70年以上の歴史を持つ老舗ロースター「小川珈琲」が監修・製造を全面的に担当することになりました。これまでは大手飲料メーカーなどが製造していましたが、職人気質の強い小川珈琲がタッグを組んだことで、豆の芯までふっくらと焼き上げる「アフターミックス製法」など、豆の個性を最大限に引き出す高度な焙煎技術が導入されました。

私自身もリニューアル後の「ミディアムテイスト」を飲んでみましたが、袋を開けた瞬間の香りの広がり方が以前とは段違いで、お湯を注いだ時のコーヒードーム(粉の膨らみ)もしっかりとしており、鮮度の良さを実感しました。

ここがポイント ただ単に「仕入れ先を変えた」だけでなく、焙煎のプロフェッショナルである小川珈琲の技術が無印良品の価格帯で楽しめるようになった、というのがこのリニューアルの最大の価値です。 (出典:株式会社良品計画『3/6(水)無印良品 オリジナルブレンドコーヒー リニューアル発売のお知らせ』

 以前の無印コーヒー豆はひどいと言われた理由

では、なぜネット上には依然として「無印 コーヒー 豆 まずい」あるいは「ひどい」という検索ワードが根強く残っているのでしょうか。それは、2024年3月のリニューアル以前の旧製品に対する評価が、インターネット上のアーカイブとして色濃く残っているからだと推測されます。

以前の製品(旧オリジナルブレンドなど)は、UCC上島珈琲などが製造を担当していたと言われています。もちろんUCCも素晴らしいメーカーですが、当時の無印良品の製品に関しては、「雑味が多い」「味がぼやけている」「香りがすぐに飛ぶ」といった厳しいレビューが散見されました。当時はコロンビアとホンジュラスの豆をブレンドしていましたが、無印良品というブランドに消費者が抱く「シンプルで上質」という期待値に対し、実際の味が「可もなく不可もない、普通の量産品」レベルだったため、そのギャップが「期待外れ=まずい」という厳しい評価に繋がっていたのでしょう。

過去の評価の背景 かつては「価格なりの味」という評価が多く、日常的にコーヒーを楽しむ層を満足させるには至らなかったようです。しかし、現在店頭に並んでいる製品は中身が別物ですので、そのネガティブな評価はあくまで「過去のもの」として切り離して考える必要があります。

 無印のコーヒー豆はどこの会社が製造しているか

先ほども触れましたが、現在の製造元は京都の「小川珈琲」です。コーヒー好きなら誰もが知る名門ですが、ここで一つ大きな疑問が浮かびます。「老舗の小川珈琲が作っているのに、なぜあんなに安いのか?」ということです。実際、200gで900円前後(税込)という価格は、専門店やスターバックスなどの豆(250gで1,300円〜1,500円程度)と比較しても圧倒的にリーズナブルです。

その安さの秘密は、使用している「豆の選び方」にあります。無印良品では、ブラジルの名門「ダテーラ農園」などの高品質な豆を使用していますが、実は「粒のサイズが規格(スクリーンサイズ)より少し小さい」という理由だけで、市場価格が下がってしまう豆を戦略的に採用しているのです。

項目 内容 備考
製造元 小川珈琲株式会社(京都工場) 高度な焙煎技術を提供
安さの理由 「輸出規格外」の小粒豆を活用 味や品質には問題なし
主な産地 ブラジル(ダテーラ農園)など サステナブルな農園と提携

コーヒー豆の格付けにおいて、サイズは重要な要素ですが、味そのものに直結するわけではありません。「味は一級品なのに、見た目が小さいから安い」という豆を仕入れ、それを小川珈琲の技術で丁寧に焙煎する。この「賢い調達」こそが、低価格で高品質を実現しているカラクリなのです。

ライトテイストなど種類別の味とおすすめの選び方

リニューアル後のもう一つの特徴は、味のラインナップが整理され、自分の好みに合わせて選びやすくなった点です。以前は漠然としたブレンドでしたが、現在はシーンや好みに応じた明確な3つのテイストが用意されています。

1. ライトテイスト(浅煎り寄り)

ブラジルとグアテマラをベースにしたブレンドです。特徴は、その名の通り軽やかな飲み口と、柑橘系を思わせる爽やかな酸味です。「コーヒーの苦味が苦手」という方や、朝一番にスッキリと目覚めたい時に最適です。以前の製品で指摘された「嫌な酸味」ではなく、果実感のある心地よい酸味が楽しめます。

2. ミディアムテイスト(中煎り)

ブラジル、グアテマラに加えて、香りの女王と呼ばれるエチオピアの豆をブレンドしています。苦味、酸味、コクのバランスが絶妙で、ベリー系の華やかな香りも感じられます。「迷ったらまずはこれ」と言える王道の味で、午後の休憩タイムにホッと一息つくのにぴったりです。

3. ダークテイスト(深煎り)

ブラジルとインドネシアのマンデリンなどをブレンドしています。しっかりとした厚みのある苦味と、チョコレートのような甘い後味が特徴で、酸味はほとんどありません。「コーヒーは苦くないとダメ」という方や、たっぷりのミルクを入れてカフェオレにするなら、間違いなくこれがおすすめです。

もしあなたが「無印のコーヒーは酸っぱい」という印象を持っているなら、知らずにライトテイストを選んでいたか、あるいは抽出温度が低すぎる可能性があります。酸味が苦手な方は、迷わずダークテイストを選んでみてください。

カフェインレスは美味しいという口コミの真実

無印良品のコーヒーラインナップの中で、知る人ぞ知る「隠れた名品」と言われているのがカフェインレス(デカフェ)コーヒーです。一般的にデカフェは、カフェインを抜く工程で旨味まで抜けてしまい、「味が薄い」「麦茶みたいで物足りない」と言われがちです。しかし、無印のカフェインレスは口コミでも評価が非常に高いのです。

その理由は、素材へのこだわりにあります。ホンジュラス産の有機アラビカ豆を使用し、薬品を使わない方法でカフェインを97%カットしています。実際に飲んでみると、しっかりとしたコーヒーの苦味とコクが残っており、「言われなければカフェインレスだと気づかない」レベルに仕上がっています。

夜のコーヒータイムに最適 「妊娠中だけど美味しいコーヒーが飲みたい」「寝る前にコーヒーを飲んでリラックスしたい」という方にとって、このクオリティのデカフェが手軽に買えるのは大きなメリットです。ドリップバッグタイプも販売されているので、試しに買ってみるのもおすすめです。

無印のコーヒー豆をまずいと感じる原因と対処法

ここまでは豆自体の品質がいかに向上したかをお話ししましたが、それでも実際に飲んでみて「やっぱりまずい」「美味しくない」と感じてしまうケースは存在します。その場合、原因は豆そのものではなく、使っている道具や、淹れる際の手順、あるいは保存方法にある可能性が高いです。

コーヒーメーカーの悪い口コミと味への悪影響

「無印 コーヒー 豆 まずい」と検索しているユーザーの深層心理を探ると、一つの特定の商品に行き着くことがよくあります。それは、無印良品で販売されている全自動コーヒーメーカー「豆から挽けるコーヒーメーカー(MJ-CM1)」です。

この製品、プロダクトデザインは無印らしくシンプルで非常に美しいのですが、肝心の機能面での評価が厳しい状況にあります。大手レビューサイトやSNSの口コミを見ると、満足度が5点満点中で2点台と低迷しているケースも見受けられます。具体的には以下のような問題点が味に悪影響を与えている可能性があります。

  • 抽出温度の不安定さ:抽出されるコーヒーが「ぬるい」という指摘が多く、適正温度に達していないため、豆の成分が十分に抽出されず、薄くぼやけた味になりがちです。
  • ミルの精度と動作不良:豆がミルにうまく落ちていかない「空回り」や、挽き目にムラが出ることが報告されています。粒度がバラバラだと、雑味が出たり抽出不足になったりします。
  • メンテナンス性の悪さ:内部の洗浄がしにくく、古いコーヒー粉やカビが内部に残ってしまうリスクがあります。これが抽出されたコーヒーに混ざれば、当然「まずい」味になります。

道具が豆の足を引っ張っている? もし、このコーヒーメーカーを使用していて「無印の豆は美味しくない」と感じているのであれば、一度その豆を使って、市販の安価なドリッパーでハンドドリップしてみてください。「同じ豆とは思えないほど美味しくなった」と驚くことになるかもしれません。

コーヒーが酸っぱいのは抽出温度が原因の可能性

ハンドドリップで丁寧に淹れているのに、なんだか「酸っぱい」「エグい」と感じる場合、それはお湯の温度が原因かもしれません。コーヒーの味は温度によって劇的に変わります。

特に浅煎りや中煎りの豆(ライトやミディアム)を淹れる際、沸騰した直後の100℃のお湯をそのまま注ぐのはNGです。高温すぎるお湯は、豆の持つ雑味や渋みまで一気に溶かし出してしまいます。逆に、温度が低すぎると(80℃以下など)、コーヒーの甘みや苦味が抽出されず、酸味だけが際立った薄い味になってしまいます。

無印良品の公式サイトやプロの推奨としては、沸騰してから一呼吸おいた「90℃前後」が適温とされています。また、「蒸らし」の工程も非常に重要です。最初にお湯を粉全体に少量注ぎ、20〜30秒待つ。この時間を惜しんでいきなりドバドバ注ぐと、お湯が粉の隙間を素通りしてしまい、「薄くて酸っぱい泥水」のようなコーヒーになってしまいます。

 豆の保存方法を見直して酸化と劣化を防ぐコツ

コーヒー豆は生鮮食品です。「乾物だから腐らない」と思われがちですが、袋を開けた瞬間から空気(酸素)に触れ、急速に酸化(劣化)が始まります。酸化した豆は、嫌な酸味が出て、香りが飛び、油分が回ってべたついた「まずい」コーヒーへと変貌します。

無印のコーヒー豆を買ってきたら、袋のまま輪ゴムで止めてキッチンの棚に放置...というのは絶対に避けてください。以下の保存方法を徹底するだけで、美味しさは長持ちします。

  1. 密閉容器に移す:袋のチャックをしっかり閉めるか、空気を抜いて密閉できるキャニスターや保存袋(ジップロック等)に移し替えます。
  2. 冷暗所で保管(基本):直射日光はもちろん、蛍光灯の光も劣化の原因です。温度変化の少ない戸棚の中などがベストです。
  3. 長期保存なら冷凍庫(注意点あり):粉で買った場合は表面積が大きいので1週間、豆の場合でも2週間程度で飲みきれない量は、冷凍保存がおすすめです。ただし、最大の敵は「結露」です。

冷凍保存の絶対ルール 冷凍庫から出した豆を、冷たいまま袋を開けると、温度差で豆が結露し、湿気を吸って一気に劣化します。使う分だけサッと取り出してすぐに冷凍庫に戻すか、使う前に常温に戻してから開封するようにしましょう。

 おすすめの挽き方で劇的に味を変えるテクニック

最後に、豆の「挽き方(粒度)」についてです。もし自宅にミルがあるなら、豆の種類に合わせて挽き方を変えることで、味をコントロールできます。

テイスト おすすめの挽き方 理由と効果
ダークテイスト 中粗挽き 〜 粗挽き 苦味が強いため、少し粗くすることで雑味を抑え、スッキリとしたクリアな苦味を楽しめます。
ライト・ミディアム 中挽き ペーパードリップの標準的な挽き方です。香り、酸味、苦味をバランスよく抽出できます。
ラテ用・アイス 中細挽き 〜 細挽き 濃く抽出したい場合は細かめに。ミルクや氷に負けない力強い味を引き出します。

「なんか苦すぎるな」と思ったら少し粗く、「なんか薄いな」と思ったら少し細かく挽いてみる。豆を変える前に、この微調整を行うだけで、自分好みの「美味しい」に驚くほど近づけることができます。

無印のコーヒー豆はまずいという誤解のまとめ

ここまで見てきたように、「無印 コーヒー 豆 まずい」という評判の多くは、リニューアル以前の過去のイメージや、使用しているコーヒーメーカーの性能、あるいは保存状態などに起因する誤解である可能性が高いです。

現在の小川珈琲製造の豆は、その価格からは考えられないほどコストパフォーマンスが高く、品質もしっかりとした優秀な製品です。「まずい」というネットの声を鵜呑みにせず、まずは自分の好みに合いそうなテイスト(迷ったらミディアム!)を一袋手に取り、正しい保存と丁寧な抽出を試してみてください。きっと、毎日のコーヒータイムを少し豊かにしてくれる、最高の相棒になってくれるはずです。

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