
冬が近づくと、乾燥対策で加湿器が欠かせないですよね。せっかく高性能なエアドッグを使っているんだから、加湿器も併用して、お部屋の空気を完璧にしたい。そう考える方は多いかなと思います。
ですが、ちょっと待ってください。エアドッグと加湿器の併用には、実は大きな落とし穴があるんです。私も調べてみて驚いたんですが、特に「超音波式」の加湿器を一緒に使うと、エアドッグから「パチパチ」という異音がしたり、センサーのランプが赤いまま戻らなくなったり、最悪の場合は故障の原因になる可能性があるんですね。
フィルターに付着する謎の白い粉も、実は加湿器が原因かもしれません。この記事では、なぜ超音波式がダメなのか、公式が推奨しているmoi(モイ)や、安全な気化式、スチーム式との違いは何か。もしトラブルが起きてしまった時の手入れや掃除方法、そして故障を防ぐための正しい置き場所や距離について、私が調べた情報を詳しく解説していきますね。
- エアドッグと超音波加湿器がなぜ相性が悪いのか
- 安全に併用できる加湿器の方式(気化式・スチーム式)
- 異音やセンサー異常が起きた時の具体的な対処法
- 故障リスクを避けるための正しい置き場所と距離
エアドッグと加湿器の併用、超音波式がNGな理由
まず、なぜ特定の加湿器がエアドッグと相性が悪いのか、その技術的な理由を掘り下げてみますね。私も「加湿器なんてどれも同じじゃないの?」と思っていましたが、エアドッグの仕組みを知ると「なるほど」と納得しました。
超音波式が推奨されない明確な根拠
これはもう、エアドッグの取扱説明書や公式サイトにハッキリと書かれています。
「超音波加湿器や次亜塩素酸水、アロマ噴霧器などの近くで使用しない」
これが公式の見解なんですね。ポイントは「超音波式」が名指しされている点です。アロマディフューザーなども、多くがこの超音波式と同じ原理でミストを出しています。
問題の本質は、「水以外の不純物」を、そのまま空気中に放出してしまうという点にあります。
「白い粉」の正体とフィルターへの影響
超音波加湿器を使ったことがある方なら、加湿器の周りや、部屋の黒い家具なんかに「謎の白い粉」が付着した経験はありませんか?
あの「白い粉」の正体は、水道水に含まれるミネラル成分(カルシウムやマグネシウムなど)です。
超音波式は、水を加熱したり蒸発させたりするのではなく、超音波の振動で水を「霧状の水滴(液体)」として空気中に飛ばします。そのため、水道水に含まれるミネラルも、水滴と一緒にそのまま放出されてしまうんですね。
エアドッグの高性能なTPAフィルターは、ウイルスやPM2.5のような微細な粒子を「汚れ」として認識し、吸着するように設計されています。エアドッグから見れば、この「ミネラルの粒子」も「除去すべき汚染物質」と何ら変わらないんです。
結果として、エアドッグは加湿器がまき散らしたミネラルを、「汚れだ!」と誤認識してフルパワーで吸着し続けてしまうことになります。
異音(パチパチ音)と故障のメカニズム
「汚れを吸ってくれるなら、別にいいんじゃない?」と思うかもしれませんが、ここからが怖いところです。
エアドッグのTPAフィルターは、高電圧の静電気を発生させて汚れを吸着しています。超音波加湿器から放出された「水分を含んだミネラル」が、このフィルターの心臓部であるイオン化ワイヤーフレームや電極プレートに吸着されると、ただのホコリとは違って「固着」してしまいます。
この固着したミネラルが、高電圧がかかる部分で電界を乱し、意図しない場所で放電(アーク放電)を引き起こします。
これが、あの「パチパチ」「ジージー」という異音の正体です。
警告:異音は故障のサイン この「パチパチ音」は、エアドッグの内部で小さなショートが起きている証拠です。この状態を放置すると、フィルターが修復不可能なダメージを受けたり、最悪の場合、内部の基板が焼損して完全に故障する可能性があります。
超音波加湿器との併用による故障は、残念ながら「お客様の取り扱い不注意」と見なされ、保証期間内であっても有償修理、または保証対象外となる可能性が非常に高いので、本当に注意が必要ですね。
センサーが赤いままになる誤作動の原因
異音と並んでよくあるトラブルが、「センサーがずっと赤い(またはオレンジの)まま戻らない」という現象です。
これは、エアドッグ本体の背面などにある「大気センサー(AQIセンサー)」が誤作動を起こしていることが原因です。
このセンサーは、多くの場合、光やレーザーを使って空気中の粒子をカウントしています。そこに、超音波加湿器が放出した「霧状の水滴」や、それが乾いた「ミネラルの粉」が入り込んで、センサーの検知部(レンズ)に付着してしまうんですね。
レンズが汚れてしまえば、センサーは「常に空気が汚れている!」と誤認識し続けます。結果として、モニターの数値が異常に高くなったり、ランプが赤いままフルパワーで運転し続けるという状態に陥ってしまいます。
公式推奨はmoi。気化式が安全な理由

Airdog公式サイトより
https://airdogjapan.com/index.html
では、どんな加湿器ならエアドッグと併用しても安全なのでしょうか?
答えはシンプルで、「ミネラルを放出しない方式」の加湿器を選ぶことです。具体的には、以下の2つの方式が推奨されます。
1. 気化式(きかしき)
これは、水を含んだフィルターに風を当てて、水分を「気化(水蒸気)」させる方式です。エアドッグの公式加湿器である「Airdog moi(エアドッグ モイ)」も、この気化式を採用しています。
気化式のメリット 最大の利点は、水分が「気体(水蒸気)」として放出されるため、水道水のミネラルはフィルターに残り、空気中には放出されないことです。そのため、エアドッグが誤作動する原因(白い粉)を根本から断つことができます。
また、消費電力が低く、過加湿(湿度が高くなりすぎること)を防ぎやすいというメリットもありますね。
2. スチーム式(加熱式)
こちらは、やかんでお湯を沸かすのと同じ原理で、ヒーターで水を沸騰させて「蒸気(湯気)」にする方式です。ミネラルはポット(釜)の内部に「水アカ」として残るため、これも空気中には放出されず安全です。
どちらの方式も、超音波式のような「白い粉」問題をクリアしているため、エアドッグと安心して併用できる、というわけですね。
エアドッグと加湿器の併用を成功させる正しい対策

では、すでに超音波式を使ってしまっている場合や、これから併用を考えている場合に、具体的にどうすればいいのか。トラブルの対処法と予防策を見ていきましょう。
スチーム式加湿器という選択肢
安全な方式として「気化式」と「スチーム式」を挙げましたが、それぞれ特徴が異なります。
スチーム式加湿器は、水を沸騰させるため、加湿パワーが非常に強いのが特徴です。リビングのような広い部屋を一気に加湿したい場合には向いていますね。また、一度沸騰させるので、衛生面でも安心感があります。
ただし、デメリットもあります。
スチーム式の注意点 ・電気代が高い: お湯を沸かし続けるので、気化式や超音波式と比べて消費電力はかなり高くなります。 ・吹き出し口が熱い: 蒸気が高温になるため、小さなお子さんやペットがいるご家庭では、置き場所に細心の注意が必要です。
「Airdog moi」のような気化式は、加湿パワーはスチーム式に劣るものの、電気代が安く、過加湿になりにくいのが利点です。どちらが良いかは、お部屋の広さやライフスタイルに合わせて選ぶのが良さそうですね。
異音発生時のお手入れと掃除方法
もし、エアドッグから「パチパチ」「ジージー」という異音がし始めたら、それは緊急事態です。すぐに以下の対処を行ってください。
手順1:直ちに運転停止 まず、併用している超音波加湿器の運転を止めます。そして、必ずエアドッグ本体の電源コンセントを抜いてください。高電圧を扱う機器なので、安全確保が最優先です。
手順2:フィルターの清掃 フィルターユニットを取り出し、説明書に従って分解します。異音の主な原因は「イオン化ワイヤーフレーム」に固着したミネラルやホコリです。説明書に「ワイヤーの端から端まで丁寧にお掃除してください」とある通り、専用のブラシやクリーナーで慎重に汚れを取り除きます。
手順3:集塵フィルターの洗浄 メインの集塵フィルター(TPAフィルター)も、ミネラルが固着している可能性が高いです。こちらも説明書の手順に従って、中性洗剤などで水洗いし、白い付着物をしっかり落としましょう。
最重要:清掃時の鉄則 エアドッグの清掃には、絶対に守るべきルールが2つあります。
- オゾン除去フィルターは「水洗い厳禁」 一番上にある「オゾン除去フィルター」は、水洗いすると性能が著しく低下します。お手入れは掃除機でホコリを吸うだけにしてください。
- 洗浄パーツは「完全乾燥」が必須 水洗いした集塵フィルター(TPAフィルター)は、タオルで拭くだけでなく、丸一日陰干しするなどして「完全に乾燥」させてください。水分が残ったまま本体に戻すと、ショートして即故障します。
センサー異常時の掃除とリセット対処法
センサーが赤いまま戻らない場合は、センサーのお手入れが必要です。これも、必ず電源コンセントを抜いてから作業してください。
手順1:センサーカバーを外す 本体の背面や側面にある大気センサーのカバーを外します。(モデルによって場所が異なるので、説明書を確認してくださいね)
手順2:レンズの清掃 中にレンズのような検知部が見えます。まずは「乾いた綿棒」を使って、レンズに付着したホコリや粉を優しく拭き取ってください。
手順3:汚れがひどい場合 乾いた綿棒でも汚れが取れない場合は、市販のカメラ用レンズクリーナーや、無水エタノールを綿棒に「ごく少量」染み込ませて、優しく拭き取ります。終わったら、再度電源を入れると、センサーがリセットされて正常な数値に戻るはずです。
このお手入れは、超音波加湿器を使っていなくても、ホコリなどで誤作動することがあるので、定期的に行うのがおすすめですね。
故障を防ぐ最適な置き場所と距離
安全な「気化式」や「スチーム式」の加湿器を使う場合でも、置き場所には注意が必要です。
最大のルールは、加湿器から出る蒸気(湯気)が、エアドッグ本体、特に「大気センサー」に直接吸い込まれないように配置することです。
スチーム式の湯気や、気化式から出る湿った空気がセンサーに直撃すれば、いくら安全な方式でも「湿度」を「汚れ」と誤検知してしまい、ランプが赤くなる原因になります。
理想的な配置のヒント ・できるだけ離す: 「何メートル」という厳密な規定はありませんが、部屋の対角線上や、最低でも2〜3メートルは離して設置するのが理想です。 ・エアコンの気流を利用する: エアコンの風が当たる場所に加湿器とエアドッグをうまく配置し、部屋全体の空気が大きく循環するようにすると、加湿も空気清浄も効率が上がりますよ。 ・壁や家具から離す: 加湿器の蒸気が壁や家具に直接当たると、結露やカビの原因になります。これはエアドッグとは関係なく、加湿器の基本的な置き方として重要ですね。
まとめ:エアドッグと加湿器の併用の結論
さて、長くなりましたが、エアドッグと加湿器の併用についての結論をまとめますね。
結論から言えば、併用は「可能」ですが、加湿器の方式選びが命です。
- 超音波加湿器は「絶対NG」 水道水のミネラルを「白い粉」として放出し、エアドッグの異音・センサー異常・故障の最大の原因となります。アロマディフューザーも同様に非推奨です。
- 安全なのは「気化式」または「スチーム式」 ミネラルを放出しない、この2つの方式を選びましょう。公式の「Airdog moi」が最も安心ですが、市販の気化式やスチーム式でも問題ありません。
- トラブル時は「清掃」で対処 異音がしたら「イオン化ワイヤーフレーム」、センサー異常なら「大気センサー」を、必ず電源を抜いてから清掃してください。
ちなみに、もし「どうしても今ある超音波加湿器を使いたい!」という場合は、水道水の代わりに「精製水」や「RO水(純水)」を使えば、ミネラルが含まれていないため「白い粉」は発生しません。…が、毎日使うとなるとランニングコストがとんでもないことになるので、現実的には気化式などに買い替えるのが賢明かなと思います。
高価なエアドッグを長く大切に使うためにも、併用する加湿器の方式には最大限の注意を払いたいですね。
この記事で紹介したお手入れ方法や仕様は、私が調べた時点での一般的な情報に基づいています。モデルによって細部が異なる場合もありますので、実際のお手入れや運用にあたっては、必ずお手元の製品の取扱説明書や、公式サイトの最新情報を確認してください。
安全な運用が難しいと感じた場合は、メーカーのサポートセンターや専門の業者に相談することも検討しましょう。