スイッチ2台ソフト1つでどうぶつの森引っ越し！失敗しない手順と条件

新しいNintendo Switchを手に入れてワクワクしているとき、ふと立ち止まってしまうのがセーブデータの移行問題ですよね。

特にあつまれどうぶつの森に関しては、他のゲームとは仕組みが大きく異なるため、スイッチ2台ソフト1つでどうぶつの森の引っ越しができるのかどうか、非常に分かりにくいのが実情です。

インターネットで検索しても、専門用語が多くて頭を抱えてしまった経験がある方も多いのではないでしょうか。

私自身も家族で新しい本体へ移行する際に、ソフトをもう一本買い足すべきなのか、それとも今のままで大丈夫なのか、かなり悩みながら作業を進めた覚えがあります。この記事では、私が実際に経験して分かった、ソフト1本でできることとできないことの境界線や、具体的な手順について、初心者の方にも伝わるように噛み砕いてお話しします。

• ソフト1本で「島ごと」の引っ越しは可能だが条件があること
• 「プレイヤーだけ」の引っ越しにはソフトが2本必要な理由
• 失敗しないための具体的なデータ移行の手順と事前準備
• よくある通信エラーやデータが見つからない時の対処法

スイッチ2台ソフト1つでどうぶつの森を引っ越す方法

あつまれどうぶつの森（あつ森）は、そのゲームの性質上、セーブデータの扱いが他のSwitch用ソフトとは決定的に異なります。通常のソフトであれば、ユーザーごとにセーブデータが作成され、クラウドバックアップなどで個別に管理しやすいのですが、あつ森は「1台の本体につき1つの島」という絶対的なルールが存在します。

そのため、新しいSwitch本体を購入した際、「スイッチ2台とソフト1つ」という手持ちの環境で、どのようにデータを移せるのかは死活問題ですよね。結論から言うと、やり方によっては可能ですが、移行したい内容によっては不可能という、少し複雑な答えになります。ここでは、その条件分岐と具体的な方法について、私の経験を交えながら詳しく解説していきます。

島ごと引越しなら無料ツールだけで可能

まず、一番多くの人が希望するであろう「島ごと全部新しいSwitchに移したい」というケースです。これに関しては、手元にパッケージ版、もしくはダウンロード版のソフトが1つしかなくても、完全無料で問題なく引っ越しが可能です。

「えっ、ゲームカードを差し替えなくてもいいの？」と疑問に思うかもしれませんが、これには理由があります。任天堂は、あつ森の特殊なデータ構造に対応するために、ゲーム本編とは別に『あつまれ どうぶつの森 島ごと引越しサービス』という専用の無料ツールを用意してくれているからです。

私自身、最初は「移行作業中にカートリッジを入れ替える必要があるのかな？」とヒヤヒヤしていましたが、このツールのおかげで、ソフトのライセンス認証とは無関係にデータそのものを「荷造り」して「出荷」することができました。つまり、家族全員で新しい本体に移動する場合や、自分一人で遊んでいて本体を買い替える場合は、追加の出費はゼロで済みます。

住民だけの移動はソフト1本ではできない

一方で、非常に注意が必要なのが「プレイヤー（住民）ひとりだけを別の本体に引っ越しさせたい」というケースです。例えば、兄弟で1つの島で遊んでいたけれど、弟が自分専用のSwitchを買ってもらったので、弟のキャラクターだけ独立させたい、といった場面ですね。

残念ながら、この「プレイヤーの引越し」に関しては、スイッチ2台に対してソフトが1つしかない状態では、技術的に実行することができません。

なぜなら、プレイヤー単体の引っ越し機能は、上記の無料ツールではなく、ゲーム本編のタイトル画面にある設定メニューから行う仕様になっているからです。この操作を行うには、以下の条件を同時に満たす必要があります。

パッケージ版が1本しかない場合、物理的に2台の本体へ同時にカートリッジを挿入することは不可能です。また、ダウンロード版であっても、後述するライセンスの仕組み上、ローカル通信を使った同時起動が制限されてしまうため、この壁を突破することができません。ここが最大の落とし穴であり、多くのユーザーが「できると思っていたのに！」と悔しい思いをするポイントです。

ダウンロード版の同時起動と通信の制限

「ダウンロード版なら、いつもあそぶ本体の設定を駆使すれば2台同時に起動できるのでは？」と詳しい方なら思いつくかもしれません。確かに、インターネットに接続した状態であれば、アカウントを分けることで2台同時起動自体は可能です。

しかし、データ移行の場面では、この裏技は通用しません。あつ森のデータ引っ越し作業は、Wi-Fiを使用した「ローカル通信」で行われます。Switchの仕様として、ローカル通信モードに入ると、強制的にインターネット接続（Wi-Fi経由のインターネット）が切断されるという挙動があります。

つまり、サブ機側（いつもあそぶ本体ではない方）でゲームを起動して引っ越し作業を始めようとした瞬間、ローカル通信のためにネットが遮断され、その瞬間に「ライセンス確認ができません」となってゲームが強制終了、または通信エラーが発生してしまうのです。この鉄壁のガードがあるため、ダウンロード版1つでの「プレイヤーの引越し」は実質不可能となっています。

島ごと引越しサービスの正しい手順

では、ソフト1本で実行可能な「島ごと引越し」の手順を詳しく見ていきましょう。これは失敗するとデータが消えるリスクもゼロではないため、慎重に行う必要があります。

まず大前提として、古い本体と新しい本体の両方に、ニンテンドーeショップから『あつまれ どうぶつの森 島ごと引越しサービス』という無料ソフトをダウンロードしてください。これは容量も小さいので、すぐに終わります。

このプロセスの間、ゲームカードを挿入しておく必要はありません。また、転送にはデータの大きさによって数分から長いと20分程度かかることもあります。その間、絶対にスリープボタンを押したり、ホーム画面に戻ったりしないようにしてください。プログレスバーが進んでいくのを、祈るような気持ちで見守る時間になりますが、ここはじっと我慢です。

セーブデータを新しい本体へ移す準備

引っ越し作業をスムーズに進めるためには、事前の環境構築が非常に重要です。「準備不足でエラーが出て、最初からやり直し」というのは精神的にかなり削られますからね。

最も重要なのは、ユーザーアカウントの連携状態です。あつ森のセーブデータは本体に保存されていますが、それを扱う「ユーザー」と「ニンテンドーアカウント」の紐付けが、新旧の本体で一致している必要があります。

理想的な流れとしては、以下の順番で行うのがベストです。

1. 新しいSwitchの初期設定時に「ユーザーの引っ越し」機能を使って、ユーザー情報を先に移動させる。（この時点ではあつ森のデータは移動しません）
2. ユーザー情報が移動した後で、『島ごと引越しサービス』を使ってあつ森のデータを追っかけで移動させる。

もし、新しい本体で新しくユーザーを作ってしまった場合は、必ず古い本体で使用していたのと同じニンテンドーアカウントを連携させておいてください。これが一致していないと、データを受け取ることができません。

また、意外と見落としがちなのが本体の更新データです。Switch本体のシステムバージョンと、引越しツールのバージョンが古いと通信がうまくいかないことがあります。作業を始める前に、必ず両方の本体で「設定」→「本体」→「本体の更新」を行っておきましょう。

スイッチ2台ソフト1つでのどうぶつの森引っ越し注意点

ここまでは基本的な手順を解説してきましたが、機械の操作にはトラブルがつきものです。特に無線通信を使う引っ越し作業では、予期せぬエラーで冷や汗をかくことも少なくありません。

ここからは、よくあるトラブルや、見落としがちな落とし穴、そして「もしも」の時のための備えについて、より実践的なアドバイスをお伝えします。私自身がWeb運営で培ったトラブルシューティングの経験も踏まえて、解決策を提示していきます。

通信エラーが出る時の環境見直しと対策

引っ越し作業中に最も心臓に悪いのが、「エラーコード：2203-0020」などの通信エラーが表示される瞬間です。これは主にローカル通信の接続が不安定な時に発生します。

「隣に置いてあるのに通信できないの？」と思うかもしれませんが、実は近すぎることによる電波干渉が原因の場合があります。私が試行錯誤した結果、本体同士をぴったりくっつけるのではなく、5cmから15cm程度離して置くのが最も安定しました。

特に「再起動」は効果絶大です。長時間スリープ運用しているSwitchは、内部の通信プログラムが不安定になっていることがあるため、引っ越しという大仕事の前にはリフレッシュさせてあげるのが鉄則です。

連携するユーザーとアカウントの確認

「引っ越しするデータがありません」や「対象のユーザーがいません」といったメッセージが出る場合、十中八九アカウントの連携ミスです。

あつ森の島データ（セーブデータ）には、どの住民がどのニンテンドーアカウントと紐付いているかという情報が記録されています。移行先の本体で引越しツールを操作しているユーザーが、移行元のデータの持ち主（島民代表など）と異なるニンテンドーアカウントでログインしていると、システムは「これは他人のデータだから勝手に移せない」と判断してロックをかけます。

確認方法としては、両方の本体のマイページ（左上のアイコン）を開き、「ユーザー設定」から連携しているメールアドレスやアカウントIDが完全に一致しているかを見比べてください。「子どもアカウント」などで管理している場合、どの子のアカウントが紐付いているか混乱しやすいので、特に注意が必要です。

移行先でデータがないと表示される場合

これも非常によくあるトラブルですが、移行先の新しいSwitchで、うっかり一度でも『あつまれ どうぶつの森』を起動してしまった場合に発生します。

あつ森は、初回起動時に自動的にセーブデータを作成します。たとえ島の名前を決める前のタイトル画面までしか進んでいなくても、内部的には「初期状態のセーブデータ」が生成されてしまっています。引っ越しツールは、移行先の本体にあつ森のセーブデータが「一切存在しない状態」でないと、データの上書きを防止するために転送を拒否します。

データ消失を防ぐバックアップの重要性

引っ越し作業は「コピー」ではなく「移動」です。成功すれば古い本体からデータは消え、新しい本体に移りますが、万が一転送中に電源が切れるなどの事故が起きると、データが破損するリスクがあります。

そのための保険として、作業前に必ず「セーブデータ復元サービス（クラウドバックアップ）」の設定が有効になっているかを確認してください。これはNintendo Switch Onlineへの加入が必要ですが、万が一の際の命綱になります。

ゲームのタイトル画面で「-ボタン」を押し、タヌポータルの設定画面でバックアップが有効になっていること、そして画面左下に最近の日付でバックアップ済みと表示されていることを確認しましょう。これさえあれば、もし引っ越しに失敗してデータが消えても、任天堂のサポートセンターに連絡することで復旧できる可能性があります。

詳しくは、以下の公式サイトでバックアップと復元の仕様を確認することをお勧めします。

（出典：任天堂公式サイト『あつまれ どうぶつの森』セーブデータ移行について）

別の島へ住民を移すならソフト追加が必要

記事の前半で「プレイヤーの引越し（住民単体の移動）」はソフト1本ではできないとお伝えしましたが、「じゃあどうすればいいの？」という解決策についても触れておきます。

結論としては、一時的にでもソフトを2本用意するしかありません。

• 新品または中古で、パッケージ版をもう1本購入する。
• 友人から数時間だけソフト（カートリッジ）を借りる。

このどちらかの方法で、両方の本体で同時にゲームを起動できる環境を作る必要があります。一度引っ越しが完了してしまえば、その後はそれぞれの本体でソフトを使い回して（差し替えて）遊ぶことは可能ですが、引っ越しの「その瞬間」だけは、どうしても2つのライセンスキーが必要になるのです。

また、ここで重要な注意点があります。「島民代表」だけは、ソフトが2本あっても単独で引っ越すことはできません。島民代表が動くときは、島ごと（全員）動く時だけです。もし「自分が島民代表だけど、自分だけ新しいSwitchで新生活を始めたい」という場合は、データを引き継ぐことは諦めて、新しい本体で「はじめから」遊ぶしか道はありません。

スイッチ2台ソフト1つでどうぶつの森を引っ越す総括

今回は、スイッチ2台ソフト1つという環境下での『あつまれ どうぶつの森』の引っ越しについて解説してきました。

ポイントをまとめると、以下のようになります。

あつ森のデータは、費やした時間と愛着が詰まった大切な資産です。「たぶん大丈夫だろう」と見切り発車で進めるのではなく、自分のやりたい引っ越し方法が今の環境で可能なのか、しっかりと確認してから作業に取り掛かってくださいね。この記事が、皆さんの無事な無人島移住の手助けになれば幸いです。